岡山地方裁判所 昭和43年(わ)450号 判決 1968年10月08日
主文
被告人を懲役六月に処する。
但し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は昭和四一年一二月より肩書住居の藤井織物株式会社男子寮に住込居住し、同会社の仕切工として稼動していたもので、昭和四三年七月二〇日午後一一時頃から同男子寮に居住する勤務先の同僚岡本昭一(当二四才)と連れ立って倉敷市児島味野一丁目一〇番三一号ホルモン店南大門に赴き共に飲食し、同日午後一一時四〇分頃、右岡本と共に同所一〇番三二号スタンド「まさご」こと杉村キクエ方前路上に至ったのであるが、同所において岡本昭一の肩が佐々木幸一に触れたことから、右岡本が佐々木の連れの桑名年男からビール瓶の破片で左大腿部を突刺されて出血多量のため同所六番九号植野与太方前路上で倒れて独力による起居動作が不可能に陥ったので、同人を保護すべき責任があるのにかかわらず医師の手当を求める等同人に対する救護措置をとることなく、同人をその場に放置したまま立去り、もってこれを遺棄したものである。
(証拠の標目)≪省略≫
(法令の適用)
判示事実 刑法二一八条一項。執行猶予刑法二五条一項。
訴訟費用負担 刑事訴訟法一八一条一項本文。
よって主文のとおり判決する。
(裁判官 西尾政義)